四知

【漢字】四知
【読み】しち
【意味】「天知る地知る我知る人知る」誰も知ることはないだろうと思っていても、隠し事や不正はいつかバレてしまうもの。
【例文1】妻は勘が鋭くて、なぜかいつも四知なんだよな。
【例文2】女の勘は四知だ。
【例文3】四知の勘が働く。

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「四知」を知らないと起きること

「四知」は「しち」と読み、「天知る地知る我知る汝知る」が元の言葉で、この四つの知を以て四知というのですが、「ふたりの間の秘密であっても、天も知り、地も知り、我も知り、相手も知っていることから、いつかは他に漏れてしまう」という意味です。だからこそ、陰で悪いことをするのは以ての外で、陰ひなたなく過ごすべきだという教えです。
後漢書の楊震伝に出てくる逸話ですが、楊震が以前に口を利いてやった人が夜陰に乗じて、贈り物を持ってきます。彼は「天知る地知る我知る汝知る」という言葉で断るのです。貰えば収賄になりますから。事件を起こす人たちはおそらくこの言葉を知らないのでしょう。戦後間もない、昭和24年に国鉄を巡って三つの事件が起きました。人員整理を進めていた下山定則国鉄総裁が怪死した、下山事件。中央線三鷹駅構内での無人電車の暴走事故。東北本線松川駅付近で線路のレールが外されて、通りかかった列車(C51133)が転覆して乗務員が死亡した松川事件。国鉄などの共産党員や組合活動家が逮捕されたものの、裁判では全員無罪になりました。これが結果的にGHQが示した経済安定九原則を推し進めることに繋がりました。それから六十八年たった今でも真相は藪の中ですが、いつか、「四知」の言葉どおり明白になるに違いありません。

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