夢を託す

【漢字】夢を託す
【読み】ゆめをたくす
【意味】自分ができなかった事を人に任せて実現する事を願う。
【例文1】息子に夢を託す。
【例文2】オリンピック出場の夢を子どもに託す。
【例文3】断念した夢をわが子に託す。

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夢を託す

自分の果たせなかった思いを自分の子どもや心を寄せる誰かに引き継がせる状況を指します。身近な所では「父が息子にアスリートの夢を託す」などがあり、大きい話だと「総理大臣の夢を弟子に託す」という事も無きにしも非ずでしょう。自分が果たせなかった積年の思いを出来れば身近に思っている存在にやって貰い、そうなってくれればまるで我が事の様に喜べてしまうのです。自分の変わりにやってくれたと思うだけで嬉しさが込み上げ、それが誇らして仕方ない訳です。もちろん全ての人が夢を託されて実現出来るとは限りませんので、そこも嬉しさを助長する要因と言えます。
出来れば身内に叶えて貰いたい夢ではあれど、世の中はそう思い通りには行きませんし、そうであるならまず自分でやるのが話は早いのですから。だからこそまずは自分の意思を理解して、思いを託せる存在でなければなりませんし、より可能性の高そうな者であれば安心して夢を託せるのです。もし託した夢をうまく結果に残せなくとも、託した者には感謝こそすれ非難するのは筋違いと言えるでしょう。

先生から生徒へ、夢を託していく…

中学生の頃、陸上部で長距離をやっていました。
ちょうどわたしが入部した年に部活の担当の先生が変わったらしく、それまではのほほんとした部活だったようなのですが一気に力の入った部活になったと聞いています。
その頃のわたしは中学校に勉強ではなく部活のために通っていると公言するほど陸上競技にのめり込んでいて、毎日部活がはじまるのが楽しみでしょうがありませんでした。
同じく部活に入った仲間もレベルが高く、お互い切磋琢磨して県大会や全国大会を目標にがんばっていました。
先生も昔陸上選手だったということで部活に対しての意欲がすごくて、いま思えば、本当にいい先生だったなと思います。
毎日、部員の書いてくる練習日誌に目を通してくれ、逐一コメントをくれました。
いまは部活の担当をしている先生の過労が問題になっていますが、その先生も同じだったと思います。
しかし中学生のわたしにはそんなところまで思いも至らず、先生の熱意を当たり前のように受け取っていました。
もっと感謝の気持ちを伝えればよかったな、と思います。
先生がそこまでしてくれたのは、きっと、自分が途中で怪我をして競技を離れなければいけなくなったこと、そういうことがあるから、わたしたちに夢を託す思いでいてくれたのかなとも思います。

夢を託すとは

夢を託すとは、自分の希望を他人にゆだね、実現することを願うことを言います。
このような言い方をすると未来に向けて、きらきらと輝くようなイメージがありますが、悪く取ると自分は逃げて後はよろしくというようにも感じてしまいます。本来は自分が頑張っても叶えられなかった事を後輩に託すという意味なのです。
しかし、最近では子供に自分の夢を託すという人が多いようです。自分にはできなかったからせめて子供にはそうなって欲しいと思うのでしょう。例えば、東大に入って欲しいと言い、勉強勉強と縛り付けます。また、好きでもない習い事を無理矢理やらされたりします。これらも親にしてみれば、夢を託しているのでしょう。しかし、子供にとってはどうでしょうか。好きでも無いことを押しつけられ、自由な時間がありません。いつか、ぷっちと切れてしまってもおかしくありません。そして、好きであるからこそ頑張れるでのあって、嫌々ながらでは効果は上がらないのです。世の親たちはそれが解っているのでしょうか。
自分で何かやりたいと言っても親が理解できない世界のことは駄目の一言で終わってしまいます。そして、自分でできなかったから夢を託すと称して、無理矢理押しつけます。
子供に夢を託すのはほどほどにした方が良いでしょう。

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