風前の灯

【漢字】風前の灯
【読み】ふうぜんのともしび
【意味】風で灯りが消えてしまいそうな様子から今にも壊れそうな危険に陥る。
【例文1】ガソリンがない!ガソリンスタンドも見当たらない!まさに風前の灯だ。
【例文2】100前の古民家が風前の灯状態になる。
【例文3】20年前の車が風前の灯寸前だ。

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風前の灯状態となった家を全面リフォーム

風前の灯とは風が吹くと今にも灯りが消えてしまいそうなたとえを言います。
意味は今にも壊れそうな危機的状況に陥ることです。
私はテレビで家のリフォーム番組を見るのが好きです。
特に田舎の古いドでかい屋敷をリフォームしていく過程がなんともいえない味わいがたまりません。
芸能人のお嬢様、森泉さんは大工さながらの腕がよく別荘をリフォームしたりよそのお宅も要望に合わせた使いやすさに改造します。
お嬢様なのにあえて古い家を自腹で買って全面リフォームしていく過程は素晴らしいです。あれだけ荒れ果てた風前の灯の台所、水回りや壁が腐っていた箇所も見事に修繕していきます。タレント業より職人の方が向いているようでした。わたしも下手の横好きで廃棄寸前のカラーBOXのお化粧直しくらいなら出来ます。森泉さんみたいに何でもマルチにこなせるようになりたいです。

「風前の灯」が体現する儚さ 

「風前の灯」という言葉をご存じでしょうか? あまり話し言葉で使われる表現ではないので、小説などの文章の中や、テレビのナレーションなどで、一度くらいは耳にした覚えがあるのではないでしょうか。
意味としては「非常に心許ない状態」や「儚い寿命」を示していて、同じような意味の言葉に「風の中の灯」「風前の灯燭」「風口の蝋燭」といったものがあります。ちなみに「空前の灯」というのは、よくある誤用です。

さて、「風前の灯」の言葉からイメージされるのは、どんな光景でしょうか? 最近では一般家庭に仏壇があってロウソクに火がともっている場面を見掛けることも減ったように思いますので、小さな炎といえばせいぜい、ライターの炎でしょうか? 喫煙者が減少していたり、電子タバコが局所で流行していたりするので、ライターでさえ馴染みがない人もいるかもしれませんね。より多くの人が日常で目にする火といえばガスコンロですが、風が吹いて消えてしまいそうなイメージとは程遠く、キャンプでバーベキューをする人くらいしか実感が湧かないかもしれません。そもそも、IHのクッキングヒーターが普及してきて、火を身近なものと感じない層も一定数は存在するでしょう。

ところで、よくよく考えてみると「風前」というのは奇妙な言葉のように思えませんか? 目に見えない、単なる空気との境界も定かではない「風」の前とは、どこになるのでしょう? イメージとしては、今まさに風が火に向かってきている場面か、風が吹けば消えそうな火だけど今はまだ吹いていない場面か、「風前」が示すのはいずれかのように思われます。ですが、この表現は誤っているわけではありません。「風前」を辞書で引いてみると「風の真正面」以外にも「風の当たる場所」という意味があり、「〇〇の影響を受ける場所=〇〇前」という古くから使われる日本語表現の一つなのです。

こうしたイメージだけは理解できるが実感を失いつつある言葉として、「風前の灯」という表現そのものが現代では風前の灯なのかもしれませんね。

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