栄枯盛衰

【漢字】栄枯盛衰
【読み】えいこせいすい
【意味】繁栄がいつまでも続く事はなく、いつかは衰えていくものである。
【例文1】かつての国民的大スターの30年後は栄枯盛衰だった。
【例文2】栄枯盛衰なので老後を考える。
【例文3】かつての二枚目俳優も40年も経てば栄枯盛衰でただのオジさんだ。

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「栄枯盛衰」と無常感

「栄枯盛衰」の栄枯は「草木の青々と繁ることと枯れること」で盛衰は「栄えることと衰えること」で「栄枯盛衰」とは「栄えたり衰えたりすること」を表します。この言葉で思い浮かぶのは鴨長明の記した「方丈記」か「平家物語」でしょう。鴨長明の時代は大地震や大火などの災害が多く、建物だけでなく人身もかなりの被害が出ていたと言われています。未曽有の被害を目の当たりにした鴨長明が行きついた境地を表したのが「ゆく川の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。」(川の流れは絶えることはないが、それでいても、もとの水ではない。淀み水に浮かぶ水の泡は、一方で消えると、一方で新しいのができて、いつまでも水の泡がそのままでいる例はない)で始まる「方丈記」。都に瓦を並べる建物も大きい建物が小さくなったり、建物がそのままであっても持ち主が変わっていたりとそのままではないのだと、世の無常を見事な文章で私たちに語り掛けてくれます。また、「平家物語」も「祇園精舎の鐘の声。諸行無常のひびきあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす」(お釈迦様が説法した場所祇園精舎にある鐘の音は、僧が亡くなる時には自然になりだし、諸行無常の響きを立てる。お釈迦様が入滅する時に真っ白に変わったという沙羅双樹の花の色は盛者必ず衰えるという道理を示している)と話の冒頭から平家の勢いとその滅亡を表現しています。
どちらも「栄枯盛衰」を見事に表現し、今も色あせない魅力のある作品ですね。

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