赤貧洗うがごとし

【漢字】赤貧洗うがごとし
【読み】せきひんあらうがごとし
【意味】貧しくて洗い流したかのように家財道具が何もない様子。
【例文1】彼の家は殺風景というより赤貧洗うがごとし。
【例文2】生活苦で部屋が赤貧洗うがごとし。
【例文3】独り身で赤貧洗うがごとし。

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赤貧洗うがごとし、帳簿を見なくても分ります

別に帳簿の終始結果が赤字で真っ赤という状態から出来た言葉ではないです。
「真っ赤な嘘」が「あまりにも明らかな嘘」という意味になるように、明らかに貧乏な状態が赤貧です。
大洪水だと土砂などが残りますが、資産価値がありそうな品は何も残りません。
ただ負債だけが残され何も残らない洗い流された状況こそ、すなわち洗うがごとしの意味するところです。
赤貧洗うがごとし、この言葉を見聞きすると田中正造を思い出さずには入れません。
かの人物を指して表現する言葉ならば清貧が妥当なのですが、彼が救おうとしたのはまさに赤貧に喘ぐ人々です。
鉱山から流された鉱毒により、山も川も村も人すらも洗い流されてしまうような蛮行が実際にあったのです。
利を求める姿勢は誰でも多かれ少なかれあるものですが、周囲に損害をばら撒いて知らぬふりは論外でしょう。
鉱山で儲ける為に、周囲の村人の生活を切り捨る判断をした同時代の政治家はどれ程いたのかと思うと苦々しい思いでいっぱいになります。
そしてそのような産業優先の姿勢は今も尚続いていると言わざるを得ません。
科学的な関連性が明らかでない、などという言い訳は憤慨に値するものです。
現在の迷惑も将来の最悪も全く顧みない欲得に塗れた行動は、人々の生活を赤貧に追い落とす濁流のように映ります。
一時の利益に囚われて長く大きな負債が帳簿に記載されないことを願って止みません。

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