知恵を付ける

【漢字】知恵を付ける
【読み】ちえをつける
【意味】第三者が方法を教える。
【例文1】中学生の兄が小学生の弟に知恵を付けて言い訳けばかりするので困っている。
【例文2】知恵を付けてどんな対応にもにうまくかわす。
【例文3】まったく、どこで知恵を付けてきたんだか。

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「知恵を付ける」

「知恵を付ける」は「傍から入れ知恵をすること、知恵や策略を教えること」です。この言葉にぴったりの落語があります。「牛ほめ」です。ある家に悪い子ではないのですが、おつむの弱い息子がおりました。その息子が叔父の新築祝いに出向くことになり、心配した父親は息子に知恵を付けます。『家は全体は檜づくりですね。畳は備後の五分べりで、左右の壁は砂摺り(土壁を作った上にさらに装飾のために砂を摺りつけて撫で上げた壁)で、天井は薩摩の鶉杢(うずらもく、ウズラの羽色のような木目、屋久杉もこう呼びます)で。結構なお庭。お庭は総体御影づくり(御影石と飾りに置いてある日本庭園)でございますな』と教えるのに、復唱させてみると、「家はへノコづくり、畳は貧乏でボロボロで、佐兵衛のカカアはひきずりで、天井は薩摩芋とウズラ豆、お庭は見かけ倒しで」とここまで間違えるか!と言うくらいの出来です。その上、買ったばかりの牛まで褒めるようにと知恵を付けますが、どうも無理そうです。そこでメモにセリフを書いて読むようにと渡します。ついでに「台所の大黒柱に穴があってそれを叔父さんは気にしているから、その穴に火の神様の秋葉神社のお札をお張りなさいと伝えるように」と送り出します。最初、息子はぼろを出しそうになりますが、メモのお陰で牛まで済んだところ、叔父さんが「牛が糞をして困る」と言った途端、したり顔で「秋葉様のお札をお貼りなさい」と言ってしまうというオチです。親心で「知恵を付けた」ものの仇になるというお話でした。

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