罪を憎んで人を憎まず

【漢字】罪を憎んで人を憎まず
【読み】つみをにくんでひとをにくまず
【意味】人が犯した罪は憎むべきだが、罪を犯した人までも憎んではならない。
【例文1】あの時はざんざん迷惑かけられたが、罪を憎んで人を憎まずだ。
【例文2】罪は充分償ってもらった。罪を憎んで人を憎まずだ。
【例文3】罪を憎んで人を憎まずと言うけれど、被害者家族はそうでない。

罪を憎んで人を憎まずをテーマにした記事

「罪を憎んで人を憎まず」を体感中

先日課長が飲酒運転で逮捕されてしまいました。直属の上司だっただけではなく、プライベートでも付き合いのある上司なので日頃の上司の仕事ぶりや人柄もよく知っています。パワハラと感じる叱責をいつも受けていました。
部下からの信頼が厚く、部下のミスを何とか解決しようと日々奮闘してくれる方でした。今年の4月に新しい部長が異動してきてから課長の苦悩の日々が始まったように感じます。休みの日でも必ずこっそり出勤してきて書類仕事をしていたのを思い出します。数人いる課長はそれぞれ自分の業務をこなすことに必死で助けあう余裕はなさそうでした。
課長の頭はいつの頃からか円形脱毛症になり、頭にはいくつも髪の毛が円形に薄くなっている所がありました。お酒を飲む量も回数も増えてきていたと思います。
職場では彼を擁護する人ばかりです。彼の仕事ぶり、人間性を知っているからです。他の部署の人たちは興味本位で色々な事を尋ねてきます。それでも私たちのように課長とともに仕事をしてきた人たちは噂をすることもありません。一番傷ついているのが本人だと分かっているからです。彼が犯した罪は社会的には許されることではありません。そして彼は職場にもう戻れなくなりました。どうにかして戻ってこれないかという部下の願いは叶いませんでした。彼の罪に対しては許す人はいないと思いますが、だからと言って誰も彼自身を憎む事はありません。まさに「罪を憎んで人を憎まず」を実感しました。

罪を憎んで人を憎まずとは一体何なのか

罪を憎んで人を憎まずとはどういった意味があるのでしょうか。私は罪を犯した人間が100%の比率で悪いと思っていますが、よく考えれば、もし被害者が罪を犯したくなかった場合と、その時の周辺環境によって引き起った可能性も存在するのです。
犯罪もそうしなければ自分の命が危なければ正当防衛が適用されます。私有地に大切な物が何かの拍子で入ってしまい、その大切な物を撮ろうと侵入した所を不審者に間違えてケガを負わせてしまったら、どちらが悪いのでしょうか。
例え犯罪を犯しても、周囲の環境によって起こるべくして起きたことなら、人を憎んでも、憎んだ方が救われることは無い気がしますね。罪を憎んで人を憎まずとは、憎むなら人ではなく環境を憎むことだと思います。
この言葉は千差万別で、人によっては意見に違いが出て当たり前です。様々に解釈が可能ですし、罪を実行した人間をなぜ憎まないのかを理解するまで時間が掛かります。
私は罪は環境だと回答しましたが、本当にそうなのかと問われたら考えこんでしまいますね。
損得で考えると被害者は報われないですよね。被害者の立場から納得がいって初めて罪を憎んで人を憎まずという言葉が使われるかもしれません。

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