梁上の君子

【漢字】梁上の君子
【読み】りょうじょうのくんし
【意味】泥棒のこと。陳寔(ちんしょく)の家の梁の上に泥棒が潜んでいた。泥棒に気付き子を呼び寄せ、人は最初から悪人だったわけではない。悪い習慣に染まる事で、ついに悪人となってしまったのだと話す。梁に隠れている泥棒は驚いて降りてきて謝ったとされる。中国の後漢書より。
【例文1】梁上の君子だが、反省の色が見られる。
【例文2】お金のために梁上の君子から抜け出せなかった。
【例文3】幼いうちから梁上の君子を諭す。

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悪い習慣に染まると悪人になる

梁上の君子とは、泥棒のことを言います。後漢書の陳寔(ちんしょく)伝にある故事からそう言うようになりました。一人の泥棒が、陳寔の家に忍び込みました。泥棒は梁の上に潜み家人が寝静まるのを待ったいました。陳寔がこれに気づき、起き上がり身支度を整えて家族を呼びました。そして、こう諭したと言います。
「人間は努力を惜しんではいけません。生まれつきの悪人というのはおりません。悪い習慣などに染まることで悪人になってしまうのです。その、梁の上にいる君子が良い例です。」すると、泥棒は梁から折り、謝罪しました。陳寔は「おまえは悪人には見えません。私の言葉を心にとめ、善人になりなさい。このようなことをしたのは貧しさのせいでしょう」と言い、絹を与えたというのです。それ以来、この地域では盗みは起こらなかったと言います。
ここで言う君子とは徳を備えた人の事を言います。つまり、そのような徳のある人物でも、悪い習慣に染まると悪人になるのだということを家人に、特に子ども達に教えたのです。俗に、朱に交われば赤くなると言いますが、同じような意味です。人間は極力悪い物には近づかない方が良いということでしょう。確かに、友人や周囲の環境で人間性が変わってしまうことは多々あります。えっ、あの人が…と言うことは良くあることです。毎日の生活に十分注意して暮らさなくてはいけないのでしょう。

自分の子供を梁上の君子にしないために

我が子には立派な人間になってほしい、と考える親は多いことでしょう。少なくとも「梁上の君子にしたい」と思う親はいないのではないでしょうか。『梁上の君子』という単語は聞き慣れないものですが、つまるところ『泥棒』や『盗賊』といった意味になります。ちなみに語源の由来は、後漢書という歴史書に書かれた、梁の上に隠れた盗賊からきています。

では自分の子を梁上の君子、つまり泥棒にさせないためにはどのようにすれば良いでしょうか。
物凄く簡単な方法であれば、子供が欲しがる物を全て買い与えることかもしれません。買い与え続ければ、子供の物欲は常に満たされたままになるため、他人の物を欲しがる気持ちが芽生えなくなるかもしれないからです。
ですがそもそも経済的に裕福な家でなければ、そんなにずっと物を買えませんし、たとえ買えたとしても子供は「親は自分の言うことを何でも聞いてくれる」と感じて、自己中心的な人間に育ってしまうでしょう。
だからといって反対に、子供に何も与えないままですと、まだ理性が未発達の子供であれば、自身の物欲を満たすために、他人の物を盗んでしまう恐れもあると考えられます。ではどうすれば良いでしょうか。

現実的に考えてみれば、その子供が欲しがっている物を、何かの記念日に与えるのが良いと思われます。要するに、その子供の誕生日やクリスマスといった行事ですね。こうして『大事な日に何が欲しいか』を考える機会をつくることで、『本当に欲しい物は何か』ということを考えさせることが出来るのではないでしょうか。そして子供自身で導き出した『本当に欲しい物』を親が与えることで、子供は物欲が満たされ、他人の物に手を出そうという気持ちも薄らぐのではないかと思われます。

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