愛想を尽かす

【漢字】愛想を尽かす
【読み】あいそをつかす
【意味】呆れて見放す。
【例文1】何事にも頑固な彼だから周囲から愛想尽かされる。
【例文2】愛想を尽かして家を出る。
【例文3】愛想尽かされてフラれる。

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「愛想を尽かす」とは

「愛想を尽かす」の愛想は「人に示す好意、愛らしい様子。好意のあらわれとしてもてなす茶菓子やお世辞。飲食店などでのお勘定、勘定書き」の三つがその意味です。「愛想を尽かす」で「嫌になって取り合わないようにすること」です。飲食店などで年配の方が連れの人におごる時に「お愛想」と言うのを聞いたことがありますが、「お勘定」とか「お支払い」と言うより粋ですよね。歌舞伎や落語で「愛想を尽かす」という場面では大概、男女の縁切りを迫る時ですね。怪談の「四谷怪談」もそうですし、「牡丹灯籠」もそうです。無理に縁切りを迫り殺してしまったり、死んでしまったりすることが仇となり、幽霊がという怖いお話です。落語の名作「芝浜」では年の暮れだというのに酒を飲んでばかりの魚やの夫が芝の砂浜でお財布を拾い、大金が入っているのを見て遊んで暮らすからと妻に宣言し、酒を呑んで寝てしまい、起きてみると財布を拾ったことは夢だと妻が言い張ります。亭主はさっき呑んだ酒の代金すら払えない事態に真っ青になり、もう酒は呑まず仕事に励むことを妻に約束し、仕事に行きます。それから十年、番所に届けた落とし主不明で戻ってきたのを機に、妻が「愛想を尽かされる」ことを覚悟のうえで真実を打ち明けます。夫は妻の機転に感謝し、これからも真面目に働くことを約束するという話です。江戸時代は夫側から「愛想を尽かし」離縁するのは「三下り半」、つまり三行半の文章で離縁を申し渡すだけで済んだのにも関わらず、妻側からは縁切寺に駆け込むなどしないと難しかったようです。女性には大変な時代でした。

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