宝の持ち腐れ

【漢字】宝の持ち腐れ
【読み】たからのもちぐされ
【意味】せっかくの才能や技術があるのに使わないでいること。
【例文1】そんなにたくさんのブランド品、しまってるだけなんて宝の持ち腐れだ。
【例文2】最新の調理道具を揃えたのに外食ばかりで宝の持ち腐れだ。
【例文3】買ってばかりで使わなければ宝の持ち腐れだ。

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「宝の持ち腐れ」にならずにすんだ山下清 

「宝の持ち腐れ」とは「役に立つものを持っていて利用しないこと、才能を持ちながらこれを活用しないこと」という意味です。「長岡の花火」のちぎり紙細工で有名な山下清は自身のもつ宝が活かされた人のひとりです。山下清は幼少の頃の病で軽い言語障害と知的障害を負います。離婚した母と共に母子家庭を保護する施設に入所して小学校に通いますが、学校の勉強についていくことができず、千葉県市川市の知的障がい者施設、八幡学園に預けられ、そこでちぎり紙細工に出会います。彼のちぎり紙細工への才能を見出した、学園職員は学園の顧問医であった精神病理学者の指導を受けさせて、その手腕を磨いていくこととなりました。彼は兵役を逃れるために放浪の旅に出ますが、知的障害のために兵役免除となります。各地を旅して見た風景は、心に留めておき、八幡学園に戻ってきてから作品にするというスタイルを貫いていました。彼の作品は大胆な色遣いと、丁寧な描写で独自の境地を開いていますが、もちろん相応の努力なくしては出来上がらない作品です。今でこそ「サヴァン症候群」という言葉も市民権を得て、障害を持ちながらも才能を発揮される方がたくさんおられることがわかってきましたが、山下清の才能を見出した職員は素晴らしい目を持っていたとしか言い表せません。「宝の持ち腐れ」にならずに本当に良かったと、彼に携わった全ての方に感謝です。

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