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手作り言葉辞典について

手作り言葉辞典では、ユーザーが疑問に思って検索してきそうな言葉の を載せています。 検索して調べてきそうな言葉とは、ここでは「ことわざ」「慣用句」「四字熟語」「故事成語」の4つになります。 それぞれの意味は下記の通りです。 古くから言い伝えられてきた、教訓または風刺の意味を含んだ短い言葉。生活体験から きた社会常識を示すものが多い。 二語以上の単語が結合して、それ全体である特定の意味を表すもの。 漢字4字で構成される熟語。 故事をもとにしてできた言葉。特に、中国の故事からできた語。 Powered by 手作り言葉辞典

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能なしの口たたき

【漢字】能なしの口たたき 【読み】のうなしのくちたたき 【意味】 【例文】 「能なしの口たたき」の逆の意味で「能ある鷹は爪を隠す」ということわざがあります。 本当に実力のある人は無駄なことは話さず、自慢することもありません。 それとは逆で、能力のない人は口先ばかりで、中身のない会話を延々と続けてしまうのかもしれません。 確かにそのように、相手のことを考えずに、自分のペースでしゃべり倒す人が世の中にはいるものです。 言った者勝ちと本人は思っているのかもしれませんが、実は無駄な話が多ければ多いほど、その人は周りからすれば無能に見えてきてしまいます。 特に女性同士の会話だとかなり話が弾んでしまいます。 しかし、相手の話をきちんと聞く姿勢があれば、会話も楽しく盛り上がります。 私が今まで経験した中で「能なしの口たたき」だと思ってしまったのは、やはり口先だけの上司かもしれません。 言うのは簡単ですが、それをやっていくのは難しいものがあります。 仮にその上司がやって見せたところで、そのやり方はもう古く、1からやり直さなければならないという状態になってしまいました。 そういう人は相手の言うことに耳を傾けずに、自分の主義主張だけを延々と述べていきます。 なので、しまいには裸の王様になってしまうのかもしれません。 「能なしの口たたき」とは、才能の無い人ほど余計なことをあれこれ話す、という意味です。 ビッグマウス、弱い犬ほどよく吠える、という言葉が類似して使われています。 話好きな人ほど、自分の話したいことをどんどん話してしまって、相手がどんな話、リアクションをしていたのか覚えていない、という傾向が高いです。 こうした自分本位な考えは、いずれ自分に災いが降りかかることにもなりかねませんよね。 「能ある鷹は爪を隠す」という言葉があるように、才能がある人ほどじっくり相手の話を思慮深く聞いて分析しているものです。 表面上の会話だけしていたのであれば、ある程度の大人であれば、その人の人間としての浅さを見抜いてしまうことでしょう。 また、あれこれ様々なことを話す人の心情として、自分の弱さを隠そうとしている、ということも考えられます。 色々と話すことで自分の存在感を周囲にアピールし、誇張しようとしているのです。 若い頃ならこれで通用するかもしれませんが、いつまでもそうはしてられません。 いずれにしても、そうしたトーク術というのは、上っ面だけのまやかしのようなものです。 「能なしの口たたき」と言われないよう、正しいコミュニケーションスキルを身に付けて、仕事も円滑に進めたいものですね。

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暖簾を分ける

【漢字】暖簾を分ける 【読み】のれんをわける 【意味】従業員や弟子が独立する際に商号を分け与える。 【例文1】暖簾を分けした弟子がお店を構えた。 【例文2】信頼できる従業員に暖簾を分ける。 【例文3】暖簾を分けの契約書を交わす。 「暖簾を分ける」というのは長年忠実に務めてきた商家の奉公人に店を出させて、同じ屋号を名乗ることを許可することです。文字通り、本店の商号や屋号を染め抜いた暖簾を使うことができたので、お店を新しい場所や離れた場所に出したとしても、お店の信用が受け継がれましたから、商売をするうえで有利になりました。また、そうした際には、資金援助をするとか、商品を貸与したり、お得意先を分けたりと、いろいろ便宜を図るのが常でした。中には新しい店で雇う従業員まで派遣してもらえたり、紹介してもらうこともありました。この従業員の派遣、紹介制度は、新しい店にとってどんなに心強いことだったかと思われます。従業員は昔は住み込みが当たり前でしたから、お店の内容、お客様の事情、店主の人間関係まですべて従業員には筒抜けです。悪い従業員を雇ってしまえば、お金を横領されたり、持ち逃げされたり、挙句のはてには窃盗団の手先として、お店の内情を偵察されたりしてはかないません。そのうえ、従業員が何か悪事を働けば、お店の主人までが従業員の指導不足ということで、罪に問われた時代もあります。本店の主人ともなれば人を見る目もありましょうし、人脈をいかして、従業員の身元調査もできたでしょう。「暖簾を分ける」というのは、分ける側にとっても大事だったに違いありません。

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暖簾を下ろす

【漢字】暖簾を下ろす 【読み】のれんをおろす 【意味】店先にかかっている暖簾をしまうことは、店じまいや廃業を意味する。 【例文1】後継ぎがおらず暖簾を下ろす。 【例文2】経営難で暖簾を下ろす。 【例文3】どうやら暖簾を下ろす時がきたようだ。 私は24歳の時に青果卸業を親から受け継いで30年間やってきましたが、先日廃業しました。いわゆる「暖簾を下す」ということを体験したわけです。 青果卸業というのは青果市場の競りにおいて、野菜・果物の品質や鯵を一瞬で見分ける才能が必要です。例えば西瓜は、つるの産毛の色やお尻付近の形と色付き具合、叩いた音で熟れているかどうか、実が柔いのか固いのかを瞬時に判断しなければなりません。そして競りが終われば野菜や果物をトラックに積んでお店に卸すこととなります。お店、店で客層が異なり、固い身の西瓜が好きなお店または柔らかい身の西瓜が好きなに分かれるため、それに応じて西瓜を振り分けます。野菜に関しても同様で、ここは熟したトマトが売れるお店またはここはまだ青いトマトが売れるお店というものがあります。 しかし、近年は大型スーパーが進出して、私たちのような卸業者を利用せずに市場から直接青果物を仕入れるという形に変わってきました。市場の職員はパートやアルバイトが大型スーパーに品物を運んでいるだけなので、その品物の情報に関してはお店側に伝わることはありません。西瓜はただの西瓜で、身が固いのか柔らかいのかお店の担当者は知りません。 現在の日本では、私だけでなくその他の専門職がどんどん「暖簾を下す」状態になっていると思います。でも「暖簾を下す」事で、失われるものがあることはすごく残念です。 原因が少子高齢化かドーナツ化現象かは不明ですが、駅前の大通りに面した店が次々潰れてシャッター街になっている地域は少なくないでしょう。 暖簾を下ろすの意味には、その日の営業を終了する以外に、店を畳んで事業撤退するという意味もあります。 ひとたび経営が悪化すれば、雪崩れるように右肩下がりに売り上げは下がり続け閉店まで一直線となります。 新規に開店して間もない店ですら、思うように売り上げが伸びなければ傷が小さいうちに早期撤退するのも当たり前。 いくら歴史ある老舗でも、生き残るための工夫を怠れば、あっという間に客足は遠のきます。 駅前の一等地に店を構えることは、ある意味ステータスと言えなくもないですが、それに見合った商売が出来ない店が多すぎます。 現代社会において自動車での移動は当たり前、なので駐車料金が発生するような駅前の店舗は余程の用がなければ訪れる人はいないでしょう。 にもかかわらずプライドを捨てきれずに殿様商売を継続する、中世の没落貴族を見るようです。 しかもそれが経営者はもとより従業員まで危機感も抱かずに続けられるのですから困りものです。 いずれ対処不能な額の借金を抱えて倒産するのですから、潔く早期に暖簾を下ろして欲しいと心から願います。

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暖簾に傷が付く

【漢字】暖簾に傷が付く 【読み】のれんにきずがつく 【意味】店の出入り口にかける布で、暖簾の多くに店名が書かれている。店にとって不名誉な出来事をいう。 【例文1】食中毒で営業停止という暖簾に傷が付く。 【例文2】暖簾に傷が付いて赤字が続く。 【例文3】暖簾に傷が付いて存続できない。 どんな時代にも大小に関わらず企業の不祥事によるニュースは世を沸かせています。もちろん企業だけではなく自治体や警察といった行政機関における記事も目にします。最近だと日本原子力研究開発機構の研究開発センターでの放射線物質被ばく事故でしょうか。放射性物質、プルトニウムが人体に対してどのような影響を及ぼすかはわかりませんが、作業員の方々への健康被害が少ないことを祈るばかりです。そういったそれまで築き上げた信用や格式を下げるような行いを暖簾に傷が付くといいます。 今回の場合は原子力機構の対応によって信頼を落とす結果となりました。暖簾とは実際に店に店名や商品名を記した布製品というだけではなく、その店が長年に渡って積み上げてきた歴史や取引先、仕入先との信頼関係、顧客からのご贔屓などの意味もあります。もちろん一切の失敗をせずに切り盛りするというのは夢物語です。ですが、予想できる範囲のミスに対してどういった取り組みをしていたか、起こってしまった問題に対してどう対処していくかが肝心なのだと思います。ましてや被ばく事故ともなれば健康に襲いかかる影響も計り知れません。今後同じように繰り返さないようどういった対策が取られるかが暖簾の傷を回復させる方法なのではないでしょうか。

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暖簾に腕押し

【漢字】暖簾に腕押し 【読み】のれんにうでおし 【意味】垂れている暖簾に腕を押し付けても張り合いがないことから、手応えがない時に使う言葉。 【例文1】彼は頑固でいくら注意しても暖簾に腕押しだ。 【例文2】暖簾に腕押しの付き合いでつまらない。 【例文3】憧れの彼女に告白したが、暖簾に腕押しだ。 いろいろな人がいる中、中には暖簾に腕押しのような人もいます。 反応がいま一つで、なんとなく吸い込まれていくような感覚さえ覚えることがあります。 以前の私は打てば響くような反応をしてもらわないと、なんとなく気分がスッキリしませんでした。 股、のれんに腕押しのような人は何を考えているのかがわからないので、いま一つパッとしないようななんだかモヤモヤした気分になってしまいます。 私は反応が薄い人というイメージが定着してしまっているので、突然の反撃に驚いてしまうことがあります。 暖簾に腕押しのような人のタイプもさまざまですが、場合によっては相手が出てくるまで待つ姿勢が大事なのかもしれません。 私は親に似たのか性格が短気なところがありました。 そのため、のれんに腕押しのようなタイプとは反りがありませんでした。 しかし、年齢を重ねるとともに短期の性格が災いすることも多くなり、半強制的に直さざるを得なくなりました。 今では待つことも覚え、以前よりはイライラすることもなくなったような気がします。 時を待つことで見えてくる事があるように思います。

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伸るか反るか

【漢字】伸るか反るか 【読み】のるかそるか 【意味】成功するか失敗するかわからないけど、思い切って挑戦してみる。 【例文1】伸るか反るか、彼女の提案を企画してみよう。 【例文2】伸るか反るか、行ってみよう。 【例文3】伸るか反るか、大勝負に出る。 人生の中で、伸るか反るかの選択を迫られることがあります。 私もこのような経験をしたことがありました。 どう考えても、安全策を取るのならば、目に見える安定したほうを選択したほうが良いのかもしれません。 しかし、それは目先の利益だけに目が行ってしまい、結局は失敗をしてしまうようです。 ですが、伸るか反るかの選択をする時、私はやはり自分の気持ちに正直になったほうが良いと思います。 目先の利益ではなく、目に見えないけれども確信的なものがあれば、自分の心に従った選択をすることで、それは成功していくのだと思います。 伸るか反るかの選択を誤ってしまうと、とんでもないことになってしまうことがあります。 後になって後悔しても、時間を取り戻すことはできません。 しかし、やり直しは利くと思います。 今までの失敗を学習して、次からは同じ過ちをしないように気をつけていけば、伸るか反るかの大勝負でも勝算はあると思います。 目に見える確実で安全な選択だけではなく、時には思い切って伸るか反るかの大勝負に出ることも必要なのかもしれません。 これは単なる博打ではなく、自分の本心に添って行動した結果がそうなったのだと思います。 しかし、どんな時でも最大限のリスクは考えておいたほうが良いでしょう。 伸るか反るかの大博打をした経験ことについて語りたいと思います。アベノミクスの初動時の300万円で勝負して1千万円になりました。これで調子ののったというか、ここしかないと思ってさらに上、億を目指そうと思いました。トータルで1800万円を持っていましたので、これを約5倍にすればと思いチャンスをうかがっていました。そこに一方的な円安がきました。まだまだ円安に進むだろうと思いましたので、これにかけよう、生で億を目指せるのは今しかないと思いました。やったのが株資金を担保にFXで大勝負。FXは最大25倍ぐらいまでレバレッジをかけることが出来ます。最初は10倍ぐらいのレバレッジにしていましたが、年末に向けてどんどん円安になっていっていたので、ロングポジションを建てました。実際に予想は的中し、含み益に500万円くらいになりました。そこでやめていればよかったのですが、目標は億。その含み益を使ってさらにポジションを上積み、含み益が出てもさらにポジションを膨らませていきました。最終的にレバレッジを使って3億円分のポジションをもっていたと思います。 このまま、一気に勝負を決めて億の世界へと思って、伸るか反るかの大博打でした。 結果は・・・・。やっぱり、これはやってはいけないことでした。

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乗りかかった船

【漢字】乗りかかった船 【読み】のりかかったふね 【意味】こぎ出した船から降りることができないことから、いったん関わった事を途中でやめる事ができない。 【例文1】乗りかかった船だ、みんなで手伝おう。 【例文2】乗りかかった船だ、諦めず最後までやり遂げよう。 【例文3】乗りかかった船だ、とことん付き合うよ。 乗りかかった船とは何事も途中で諦めないという意味を持ち、真面目で責任感のある性格の人にぴったりの意味を指します。一度関わった運命だから最後まで責任を持って使命を果たすなど、正義感が強い意味も成します。例文として、ゲームを始めたが難しくて途中でやめてしまいそうにもなるけど乗りかかった船、最後までやり通そう。友達が好きな人に告白したいとラブレターをもらって渡してと頼まれたが、面倒だ。でも乗りかかった船、最後まで手伝い行く末を見守ろう。など、そのまま続行していく様を表しています。この言葉を使う時、どちらかというと後ろ向きより前向きな姿勢が伺えます。真面目で奥ゆかしい日本人の本質を言い当てたような言葉でもあります。船に既に乗ってしまったので、目的地につくまで何があっても降りられない状態を比喩しています。乗りかかった船である出来事は良い方向へ進むことも悪い方向へ進むこともありますが、やり終えたということに意味を感じることもあります。一度始めたものは何があってもやめることはできないと現代にも浸透するほど教えを説いてくれています。乗りかかった船と似ている言葉として、渡りかけた橋という言葉もあります。

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のべつ幕なし

【漢字】のべつ幕なし 【読み】のべつまくなし 【意味】幕を下ろさず演じ続けるとことから、休みなくずっと続く様子。 【例文1】のべつ幕なしで働いても生活に余裕がない。 【例文2】のべつ幕なしでお客さんが入って来る。 【例文3】べつ幕なしで赤ちゃんの世話をする。 「のべつ幕なし」という意味は絶える間がなく、ひっきりなしに続くという意味で使われています。 次から次へということは、日常生活でもあるかもしれません。 特に忙しくて、ただ目の前のことをこなしているような時は、なぜかもっと忙しくなってしまいます。 そういう時、人からどう見られているのかはわかりませんが、頼めばやってくれると思われているようです。 多くの女性が仕事と家事を両立させています。 仕事で疲れた体を無理して動かして家事をやっている時などに、家族からのべつ幕なしに用事を頼まれることがあります。 逆に心身ともに余裕があって、楽に作業ができている時ほど、家事を手伝ってくれたりします。 いつも仕事や家事に余裕のない人は、さらに忙しい状態に追い込まれてしまうのかもしれません。 お金がある所にお金が舞い込むのと同じように、忙しい人の所に忙しさが吸い寄せられてしまっているのかもしれません。 「のべつ幕なし」に何かを頼まれてしまい、自分の限界を超えてしまう前に、まずはそういった状況にならないようにすることが大切だと感じています。 その方が自分はもちろん楽ですし、周りの人の理解も協力も得やすいような気がします。 ゆとりのある人にはゆとりのある状態が寄ってくるようです。 私には、馬鹿が付くぐらい鉄道が大好きな友人がいます。 この友人は私と会うと、挨拶もそこそこに直ぐに鉄道の話を始めます。 どこそこの鉄道路線に乗って楽しかったとか、今度どこそこの鉄道路線が廃止になるから乗りに行ってこようと思っているなど、とにかくのべつ幕なし鉄道の話しかしません。 私は鉄道以外の話をしだすと、早々に話を遮り、鉄道の話をしだすのです。 それで時々けんかに成ったりします。 ですがこの友人は根は良い奴なので、一時的に頭に来ても、友達関係を解消しようとまでは思いません。 私が鉄道関係の話を振ろうものなら大変です。 延々とそれについて語り始めます。 余りにも延々と鉄道の話ばかりするので、時々閉口してしまいますが、楽しそうに話しているので我慢して聞いてあげています。 また友人は全国各地の鉄道に乗っているだけあって、日本各地の観光名所や特産物を知っているのです。 ですから友人と旅行に行った時には、観光ガイド代わりになって、とても重宝しています。 友人は他の人の前でものべつ幕なし鉄道の話をしているようで、周りの人から疎まれているようです。 ですが私は友人の事を変わっているいるとは思わず、ただ自分の好きな事を話していると周りが見えなくなるだけだと思っています。 私はそんな友人の事を温かく見守り、これからも友人であり続けたいと考えています。 討論で相手の発言を遮ってまで喋ろうとするくせに、自分の発言には反論する間も与えずにまくし立てる人がいます。 反論内容の如何によっては不利な立場に追い込まれることを予想しているためか、必死に大声を発し続けるさまは見ていてうんざりします。 あからさまに都合の悪い何かを隠そうとしている小悪党が、白州に引き立てられて最後の足掻きをしているイメージに近いものがあります。 話が通じることは全く期待できず、誰がこの場に呼んだのかと関係者に矛先が向けられそうです。 言って聞かせて止まらず、放置したなら喋り続け、都合が悪くなれば話をそらし怒鳴り散らす、我侭な子供を外見だけ大人にしたような存在です。 困ったことに社会的地位を確立した権力者ほど、他人の意見に全く耳を貸さずにのべつ蒔くなしに喋り続けます。 馬鹿丸出しなのですが、指摘して恥をかかせた日には次の朝日は拝めないというのは誇張表現で留まらない場合すらあります。 巻き込まれる周囲は全く持って酷い迷惑なのですが、走り出したら止まらないのが暴走する愚者の最大の特徴です。 自覚があるのならば演技に留まる可能性がありますが、日常的に繰り返して常態化しているならば救いがありません。 どこかに激突して止まるのを待つにしても、その幕引きに立ち会いたいとは欠片も思えないです。

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喉元過ぎれば熱さを忘れる

【漢字】喉元過ぎれば熱さを忘れる 【読み】のどもとすぎればあつさをわすれる 【意味】熱い物も飲み込んでしまえば、その熱さもしばらくすると忘れてしまうことから、きつい経験も過ぎてしまえば、その苦しさもいつか忘れてしまうものである。また助けてもらっても、しばらく経てば恩義も忘れてしまうものだ。 【例文1】あれほど注意したのに、彼の行動はもう喉元過ぎれば熱さを忘れている。 【例文2】ギャンブルはやめると言ったのに、もう喉元過ぎれば熱さを忘れる。 【例文3】1年もすれば喉元過ぎれば熱さを忘れる。 喉元過ぎれば熱さを忘れるとは熱い物を飲み込んだ時はしばらくはつらいが、時間が経てばそのつらさも忘れてしまうものです。つまり、つらい経験はいつかは忘れるものであるという意味です。助けてもらった恩もいつかは忘れてしまうという時にも使います。 私は社会人になり、収入を得るようになってから、気晴らしにパチンコに行くようになりました。1000円が1万に増えた時の興奮がたまらず、週に1回は足を運ぶようになったのです。10万勝ちもあれば10万負けもある。 次第に金銭感覚がマヒしてきてトータル20万負けても次に10万勝つと少し落ち着いた感覚になり、金銭感覚が完全にマヒしてきました。親方に給料を前借りしてまで行くようになり、同僚からは中毒だと言われながらもどんどんハマっては前借りを繰り返しました。このままでは生活できないなと思っている頃、ついに親方から喝が入り、きっぱりパチンコは辞めました。半年は元の生活に戻りましたが、ふとパチンコをしたくなりました。終わってみれば数万円勝ちで翌週も行きました。あの深見にはまった苦い経験をしたにも関わらずまたはまりそうです。 口に入れてはみたものの、熱くてゆっくり食べていられない料理がだされることはままあります。 食べている途中で冷め切らないように予め適温よりも熱くして提供する配慮によるものなのでしょうけれど、口に入れている時点で手遅れです。 吐き出す無作法を公衆面前で敢行する訳にもいかず、ろくな咀嚼もせず無理矢理に飲み下します。 喉元過ぎれば熱さを忘れるという言葉に騙されたことを知るのはこの瞬間です。 確かに口の中と喉は通過してしまい難を逃れたかのように見えますが、今度は胃が熱さで絶叫するはめになります。 熱さを堪能する料理もあるらしいですが、正直に言って御免被りたいです。 熱さ寒さも彼岸までと言いますが、熱さと辛さは舌先まで、それより先に通してよいものではありません。 出された料理を一口食べて涙目になるくらいなら、そそくさとハンカチなどに吐き出した方がまだ救いがあります。 噛み砕いたものでなければ大惨事になるわけでもなし、ハンカチなどで隠せば周囲に与える影響は少ないはずです。 自分の失敗ならばともかく他人の失敗を長くあれこれと言うのは狭量というものでしょう。 それで、ハンカチを忘れるどころか用意しようとすらしなかった私は、口の中の灼熱の塊を飲み下すしかないのですかね。 耐えられそうに無いので、こっそり吐き出してもいいですか。" そのような状況に追い込まれる前に、警察官や腕に覚えがある強そうな味方をけしかけた方が現実的ですし確実です。

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喉から手が出る

【漢字】喉から手が出る 【読み】のどからてがでる 【意味】欲しくて欲しくてたまらないこと。 【例文1】喉から手が出るほど欲しかったブランドバッグをボーナスで買った。 【例文2】彼氏から誕生日に喉から手が出るほど欲しかった財布をもらった。 私は一時期、オーディオにハマっていた時があります。 最初はラジカセで音楽を聴いていたのですが、徐々にその音に物足りなさを感じる様になり、ミニコンポを買って音楽を聴くようになりました。 しかし同じメーカーで組まれたミニコンポの音にも満足できなくなり、終に単体のコンポを買うようになったのです。 CDプレイヤー、アンプ、スピーカーなど、自分が気に入ったコンポを組み合わせて、自分オリジナルの音にするのが楽しくて仕方なくなりました。 最初は安いコンポを組み合わせて楽しんでいたのですが、徐々にそれでは満足できなくなってきました。 それで高級オーディオと言われるコンポに手を出し始めたのです。 ですが高級オーディオと呼ばれるこれらのコンポは、価格が高いいので中々手に入れる事が出来ません。 そんなある日、私は一つのアンプと出会いました。 一目見た瞬間、私はこのアンプに一目ぼれして欲しいと思いました。 しかし高級オーディオだけに価格が高く、庶民である私には買う事は出来なかったのです。 手に入らないと思ったら、喉から手が出るほど欲しいと思う様になり、私はそれからこのアンプを安く売っている所を探し続けました。 するとネットオークションで、中古ではある物のこのアンプが安く売られており、私は直ぐに買い求めました。 喉から手が出るほど欲しかったアンプが手に入り、しばらく私はアンプに見惚れていたのです。

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喉が鳴る

【漢字】喉が鳴る 【読み】のどがなる 【意味】美味しそうな食べ物を見ると食欲がわいてくる。 【例文1】焼き肉のチラシを見ると喉が鳴るので、今日は皆で焼き肉を食べに行こう。 【例文2】うなぎの蒲焼の香ばしい匂いに喉が鳴る。 【例文3】お昼時のグルメ番組に喉が鳴る。 喉が鳴るの言葉の意味は、うまそうなご馳走を見た時に、食欲が湧き、食べたくてうずうずしてくる様子を表した言葉です。具体的な使い方の例としては、久しぶりの厚切りステーキを目の前にしてあの香ばしい香りと肉が焼ける音を聞くと喉が鳴るや、仕事から帰った後、キンキンに冷えたビールを目の前にして喉が鳴る等が挙げられます。人間の身体はうまそうなご馳走等を目の前にした時に、視覚や臭覚等からの信号が脳に送られ、無意識のうちに唾液の分泌が盛んになり、その唾液を呑み込む時に、ゴクっと音がする様な気がする事からこの言葉が生まれました。 又、うまそうなご馳走に限らず、目を見張る様な景色や美しい異性を見た時、とても緊張した時にも同じ様な身体的な症状が現れます。一方、実際に病的要因で喉が鳴る場合も有ります。空気嚥下症(呑気症)は食べ物などと一緒に空気を多く吸いこんでしまうのでゲップが出易くなります。喘息はヒューヒューと音がしたりします。下咽頭・咽頭異物の症状でも音が鳴る時が有ります。これらの場合は医師の診察を受ける必要が有ります。本来、喉が鳴るの言葉の意味合いは、おいしい食事を連想させてくれる言葉ですので、病的要因の時には使用しません。

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のっぴきならない

【漢字】のっぴきならない 【読み】のっぴきならない 【意味】本来は退き引きならないと言われ、退くことも引くこともできない、どうにも出来ない状況をいう。それ以上聞いてはいけない雰囲気があるので、早く帰りたい時に便利な言葉である。 【例文1】今日はのっぴきならない用事があるので、定時で退社します。 【例文2】のっぴきならない用事があるので残業は無理です。 【例文3】のっぴきならない用事があると嘘ついて上司の誘いを断る。 会社の後輩がある日こんなことを言いました。 「ちょっとのっぴきならない用事があるので、会社早退します!」 周りは唖然として、とりあえずその場は誰も何も言わないまま一日が過ぎたわけですが、正直みんなが思ったと思うんです。 「のっぴきならない用事って一体どんな用事?」 この言葉自体、そこまで聞きなれた言葉ではないですが、まぁ簡単言えば「絶対キャンセルできない」「何がなんでも出なくてはならない」みたいな意味だということは、 大体の人が知っていたし、だからこそ「どんな用事?」と聞き返す人はほとんどいませんでした。 「ちょっと家の用事で」と言えば「誰か具合悪いの?」と聞かれるし「通院のため」と言えば「具合悪いの?」と聞かれます。 でも「のっぴきならない」の一言って追及されないことが多いんですよね。 でも私はその後輩の子とプライべートでも食事に行くほど仲が良かったので、後日思い切って聞いてみたんです。 「先週の金曜日、のっぴきならない用事っていってたけどどうしたの?大丈夫?」と。 言いたくない雰囲気だったらすぐに「言いたくないならいいんだ、ごめんね」と謝るつもりでいたのですが、反応は意外なものでした。 後輩は「あぁ、あの日ですね」なんて呑気に笑いながらこう言ったんです。 「好きなアイドルのライブに急に誘われたんです!どうしても行きたかったんであぁ言っちゃいました!」 飽きれるのと同時に笑ってしまいました。「のっぴきならない」というこの言葉、周りの追及をうまく逃れる魔法の言葉なのかもしれませんね。 のっぴきならないとはどういう意味でしょうか。 普段生活していても全く効くことがありませんでした。 調べてみると、のっぴきならないののっぴきとは、退き引き(のきひき)から来ているようです。 退き引きならない、退くことも、引くことも出来ないどうしようもない状態を意味しています。 同じような意味をもつ言葉は、案外多くあります。「よんどころない」「やむを得ない」「致し方ない」「抜き差しならない」などは近い意味じゃないでしょうか。 使い方は会議で上司に発言したらのっぴきならない事態になった。 のっぴきならない重要な要件ですが、いい方法はありますか? 私はこのあとのっぴきならないことになると感じた。 のっぴきならない用事で出かけると言っていました。 などと使うようです。 具体的な事情を伝えたくないようなときには、便利な言葉です。のっぴきならない事情で始まると相手もそれ以上追及してはいけないような雰囲気になります。 会社でもこの言葉を使えば通用するでしょうか。月曜はのっっぴきならない事情で休みます。火曜はよんどころない事情で休みます。水曜は抜き差しならない事情で休みます。木曜は致し方ない事情で休みます。金曜にはやむを得ないが会社は辞めてもらうでクビですね。

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熨斗を付ける

【漢字】熨斗を付ける 【読み】のしをつける 【意味】一般的にはご祝儀のお返しやお世話になった方への贈答品に添える飾りであるが、両者の仲が悪化してされた事以上のものを上乗せた気持ちで突き返す「熨斗付けて返す」という悪い言葉も多用されている。 【例文1】結婚祝いのお礼に熨斗を付けてお返しをする。 【例文2】こんなもん!熨斗付けて返してやるぜ。 【例文3】内熨斗と外熨斗を使い分ける。 熨斗を付けるとはどういう意味か 熨斗はお祝いなどの贈答品の上に付ける「のし」ですね。 でも熨斗を付けるの意味と言っても、そのままですよね。贈答品の上には貼ることの意味の他に何かあるのでしょうか。 熨斗を付けるの意味は人に物を差し上げる時に、喜んで進呈する意味です。 普段使っている熨斗(のし)はそんな意味があったんですね。 もともと熨斗はアワビの略で、江戸時代以降アワビの肉を薄く長くはぎ、引き伸ばして乾かしたものを贈答品の添え物にしていて、その後、昆布や紙に代用されるようになったようです。本来は仏事以外の贈答品に凶事の贈答でないことを強調するためにこの熨斗鮑を添えていたということです。 なんか昔からのしにはちゃんとした意味があったんですね。 今ま贈り物ようのラッピングを頼んだ時、店員さんに「のしはつけますか?」って聞かれて、「じゃあ、お願いします」って感じでしたが、これからは率先してのしはつけてもらうことにします。

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残り物には福がある

【漢字】残り物には福がある 【読み】のこりものにはふくがある 【意味】人々が取っていった残りものには思いがけない良い物がある。順番で最後になった人に慰める時に多用される。 【例文1】くじ引きで班長を決める事になった。引く順番は最後だが、残り物には福があるから大丈夫。 【例文2】役員決めでくじ引きが最後になった。残り物には福があると信じたい。 【例文3】残り物には福があると同情される。 昔、こんな経験をしました。 一人っ子だった私はそれはそれはマイペースな子どもで、幼稚園や小学校に上がっても競争という競争が大嫌いな子どもだったんです。 なのでお友達の家にお呼ばれしたときのお菓子や、係決めのくじびき、図工で使う画用紙の色、何をとってもいつも手を伸ばすのは残り物だけ。 心の中ではこのお菓子が食べたい、この色がほしい、と思っていても他の子の剣幕に押されて競争に乗り遅れてしまいます。 母からはその都度「残り物には福があるから大丈夫」、と言われてきたのですが、最初から分かっているお菓子選びなんかは最後に残るのは当たり前のように一番人気のないものだし、くじびきだって残ったくじですごい得をした!って経験はこれまでそんなにはありません。 それに思うんです。くじをひく順番が最初の方でハズレを引くのと、最後あまりものを引いてハズレと、どっちが後悔がないかって圧倒的に前者なんですよね。 だって、最初にくじをひいたのは自分の意志だけど、最後にくじをひくというのは、「引く」とは言えないですから。もし当たりだとしてもやっぱり自分で引き当てた感覚って薄いと思うんですよね。 だから私は「アンチ残り物には福がある派」だったのですが、ただ一つ思うことがあります。激しい競争のぶつかり合いの中では、その結果に泣いたり、後でズルをしただのともめて喧嘩になったり、私には縁のないような争いを横目に、私は平和に残り物にありついていたわけです。 そうか、欲をもたずに心穏やかに、今自分の目の前にあるもので満足すること、これが本当の「福」だったりしてね、と大人になった今思うんですよね。 良く残り物には福があるという言葉を耳にします。この意味は、人々が先を争って取り合った残り物には、以外に良い物があるということから、おっとり構えて少しも慌てることがないような人には、思わぬ幸運が訪れるということです。普通に考えると、何かを選ぶ際に、誰もが良い物から選んでいきます。残った物は決して良い物ではないはずです。では、なぜこのようなことわざが生まれたのでしょうか。 それは、先を争い目の色を変えて、取り合っては本当に良い物かどうか見極めることが難しいということがあるのかもしれません。人はある程度落ち着いて、じっくり見て選ぶべきと言う意味でしょう。また、自分で生活をしていても、何かの際に真っ先に手を出して、周囲の人のことも考えないような人とはおつきあいをしたいとは思いません。のんびり、選んでいる人の方が、なんとなくつきあっても良いかなと思います。そんなことを言ったことわざなのでしょう。 遺産の分配の時などは顕著に表れます。まずは一番金額の張る物を手に入れようとするでしょう。しかし、のんびり構えていた人の方が将来的には一番良い物を手に入れることがあります。先を争った人より、のんびりじっくりした人に仕事を任せたいと思う人が現れるかしれません。誰かが必ず人のやることは見ているものなのです。 有名な言い方ですね。似たような言葉で 「慌てる乞食は、もらいが少ない」とかもあります。他人を押しのけて、慌てて何かをたべようとしたり、何かを買おうとしなくても、残り物にも思わず美味しい物や得する物があると言う意味で、何事も慌てず落ち着いて!と言う意味でしょうね。 英語では、「Last but no least」と言う言い方があります。例えばテレビキャスターが最後のゲストを紹介する時に、最後になりましたが、この方も大切なゲストです!と言う意味で使います。 私の両親はもう亡くなりましたが、結婚生活50年以上でもいつも仲良く、いつでも一緒にいたい!と言う感じでした。そんな父の口癖がこれでした。両親は結婚したのが遅く、母は兄弟から良く「売れ残り」とからかわれていたようで、父はいつも、「残り物には福があるってね!」と言っていたのを覚えています。最高の夫婦愛ですよね。 私がいつもおもうのは、今飼ってるビーグル犬8歳になりますが、シェルターで何匹かいた子犬の最後の残りでシェルターの人が、「この子は大人し過ぎて、誰も欲しがらないの」と言っていましたが、迷わず家に連れて帰りました。親バカですが、この子は1度もうなったり、歯を見せた事もなく、誰からも愛される最高の子です。やはり「残り物には福がある」は本当なんですね!

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軒を貸して母屋を取られる

【漢字】軒を貸して母屋を取られる 【読み】のきをかしておもやをとられる 【意味】商人の軒先の一部を別の商人が貸してと頼んできた。この商人は商売上手だった。客が増え店が繁盛したので、軒先だけでは狭くもう少し貸してほしいと言ってきた。一方家主の商売はうまくいかず、のちに新しい店主になり代わったことから、一部を貸しただけなのに全部取られてしまう始末。人に裏切られた時に使う。 【例文1】色塗りを手伝ってもらったら彼のほうが上手く、仕事の依頼を持って行かれ軒を貸して母屋を取られた。 【例文2】彼女を友人に紹介したら友人に奪われ軒を貸して母屋を取られる。 【例文3】仕事のノウハウを教えた後輩が出世して軒を貸して母屋を取られる。 「軒を貸して母屋を取られる」とは一部を貸したら、やがて全てを奪われてしまう。保護をした相手に恩を仇で返されてしまう。という意味合いの言葉です。 雨の日に商人の家に若い男が雨宿りをさせてほしいと言いにやってくる。人の良い商人は若い男に軒先を貸す。段々と雨が強くなり、若い男に同情した商人は家の中に入れてやる。話を聞いてみると男には行く当てがどこにもないと言うので、商人は自分の商売を手伝わせることにした。働かせてみると、若い男は商売が上手で口がたつために従業員やお客さんの評判が商人よりも良い。いつの間にやら商人の影は薄くなってしまい、若い男に店を乗っ取られてしまう。 これが「軒を貸して母屋を取られる」の語源とされている話です。 この話のように実際に母屋などの物を取られる場合だけではなく、可愛がっていた後輩に自分の仕事を教えて人脈を紹介した後に裏切られてしまったなどのケースでも、「軒を貸して母屋を取られる」のことわざは使えます。 類義語には自分の大切にしていた犬に噛まれてしまうという意味の「飼い犬に手を噛まれる」、鉈を貸してあげたつもりが自分の山を伐られてしまう「鉈を貸して山を伐られる」などの言葉があります。

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軒を争う

【漢字】軒を争う 【読み】のきをあらそう 【意味】密集して建ち並んでいる様子。 【例文1】軒が争う所は日当たりが悪いからやめとこう。 【例文2】丘の上に豪邸が軒を争う。 【例文3】ケーキ屋が軒を争う。 「軒を争う」は「家の軒と軒が接近して家が建て込んでいる様子、軒を連ねる」という意味です。鴨長明の「方丈記」に「軒を争いしひとのすまひ」とか「甍を争へる、高き賤しきひとのすまひ」などの記述があり、当時の京都の家並みがかなり建て込んでいたことがわかります。鴨長明は当時起こった大地震や大火、大つむじ風により人が亡くなったり、家々が倒壊するのを目の当たりにし、無常の思いを表現したのが「方丈記」です。 当時はもちろんどの家も平屋でしたから軒も甍も争いましたが、現代では事情が違います。普通の家でも3階建て、4階建ても増えてきました。そんな中、東京の銀座ではある取り組みが行われてきました。銀座の地区ルールです。銀座では空が解放感を演出するようにと景観に気づかい、歌舞伎座などの一部を除きビルの高さを56mまでに制限しているのです。銀座の町会である全銀座会が中央区と連携して決められたもので、先ごろオープンしたギンザシックスも56mを守っています。銀座が空を借景として守った気質をそれぞれの店舗が大事にしていて、ギンザシックスでは日本の伝統的なひさしや暖簾をイメージした外観になっておりますし、ガルティエ銀座ブティックでは日本の組子を採用し、外観は障子のようにも見えます。東急プラザ銀座では夜間の照明を上の階に行くにつれて暗くなるように設定したそうで、まるで建物が空に溶け込んでいくように見えます。銀座のそぞろ歩きが「銀ブラ」として定着し、現在まで変わらぬ憧れの街であり続けるのも、「軒を争う」人々の知られざる努力がなせる業なのです。

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嚢中の錐

【漢字】嚢中の錐 【読み】のうちゅうのきり 【意味】嚢中は袋の中。袋の中にきりを入れておくと袋を破って刃先が見えてくることから、優れた者は隠れていても自然に才能を現すものである。 【例文1】彼はコネも使わずに入社したのに先輩よりも出世が早かった。まさに嚢中の錐だ。 【例文2】運動神経が良い彼は中学からサッカーを始めたが、嚢中の錐ですぐレギュラーに選ばれた。 【例文3】はっきりした顔立ちは化粧映えする嚢中の錐だ。 嚢中の嚢は袋のこと。「本当に才能がある人は内に秘めていてもたちまち外に現れるものだ」という意味です。布袋に錐を入れると、尖った先端から袋を突き破って出てきてしまいますね。そのことを指しています。これは中国の司馬遷が書いた「史記」の中の「平原君・虞卿列伝 第十六」に記されている言葉から出た慣用句です。司馬遷は正義を貫き、功名を立てた士民の伝記である列伝を七十篇書いています。平原君(へいげんくん)はその中のひとりで戦国時代の趙の宰相でした。食客を常に数千人抱えていた実力者で、戦国の四君の一人に名を連ねています。この言葉が出てきた場面は、趙の国は存続をかけ、楚の国と連合することを決めます。楚王と話し合いに行くことになったのが平原君です。彼はたくさんいる食客の中から文武に優れた者を二十人選んで連れていくことにし、十九人まで選びましたが最後の一人が思い浮かびません。その時、毛遂(もうすい)という者が立候補しました。平原君は毛遂に「先生は何年ここにいますか」と尋ねると「三年です」との答え。 平原君は「賢明な士が世の中にいるということは、例えば錐(きり)が袋の中にあるようなもので、錐の先が袋を突き破って現れ出るように、すぐにその才覚が見えるものでです。しかし、先生はここに三年もいらっしゃるが、私の側近はあなたを褒めたこともなく、聞いたことがない。これは、能力がないからだ」と。毛遂は「私は今日初めて袋の中に入れてくださいと頼んでいるのです。もし早くに袋の中に入れて下さっていれば、柄(え)まで突き出していたことでしょう。錐の先っぽが見えただけでは済まなかったでしょう」と答え、平原君は連れていきます。そして毛遂の働きで楚王は趙と同盟を結ぶのです。平原君は自分の人を見る目のなさに落胆し、毛遂を厚遇しました。という話です。「嚢中の錐」は逸話としては面白いですが、あまり使う場面のなさそうな言葉ですね。

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能ある鷹は爪を隠す

【漢字】能ある鷹は爪を隠す 【読み】のうあるたかはつめをかくす 【意味】獲物狩りをする時鷹は鋭い爪を隠していることから、実力のある物ほどあえて表面に出さないもの。 【例文1】外人に声かけられておどおどしていたら彼女がペラペラと応対した。能ある鷹は爪を隠すでびっくりした。 【例文2】小柄な彼がボクサーだと知り、能ある鷹は爪を隠すで驚きだ。 【例文3】能ある鷹は爪を隠すギャップに惚れる。 「能ある鷹は爪を隠す」。優秀な人ほど自分の知識や能力をひけらかしたりせず、その力を隠していることを言いますね。 これは鷹が獲物を狩るときに、相手に油断させるために自らの武器である爪を隠す、という話からきています。 あなたの周りにもいませんか? もっさりしていて冴えない感じの人が実は超優秀なエンジニアだったり、物凄く優しい雰囲気の人が実はボクサーだったり。 特に日本の社会では「出る杭は打たれる」というように、必要以上に目立ってしまうと叩かれる傾向がありますので、いざというときにしか持っている能力を使わない、そういった文化的背景があるのかもしれません。 こんな話があります。 とある会社で。ある部門に新任の部長が異動してきたそうです。 優しい雰囲気の彼は、部長ながらにいじられキャラ。 すぐに部門には馴染みましたが、舐めてかかった新人達からは陰で「使えない」と噂されていました。 ある日、海外から社長にお客さんが来たときのこと。 英語しか話せない客人は約束の時間よりも2時間も早く到着。 しかし、まともに英語が話せる社員がいなかったその会社では、対応に困っててんやわんや。 その時、調度取引先から帰ってきたいじられキャラの部長。 状況を把握すると、流暢な英語で客人に対応し、社長との面談も成功、無事契約が成立したそうです。 なんとこの部長、社長自らヘッドハンティングしてきた逸材。 その姿を見た新人達は自分達の認識を改めたのでした。 因みに、部長が自分の力をひけらかさない理由は「疲れるし、めんどくさいから」だそうで、社内でのポジションもいじられキャラからマイペースキャラに格上げ(?)されたのでした。 いかがでしょうか。 隠せる能力のある「鷹」にぜひなりたいものですね。

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