ルビコン川を渡る

【漢字】ルビコン川を渡る
【読み】るびこんがわをわたる
【意味】ルビコン川とは、当時ガリア(現フランス)とイタリアとの境をなした川で、軍隊を連れて入ってはいけないことになっており、違反すると処罰された。しかしユリウス・カエサルはガリアから軍隊を引き連れてローマに迫り、ローマ側の軍隊と戦って勝利し、政権を手に入れたことから、一世一代の勝負をすることをいう。
【例文1】転職してルビコン川を渡る。
【例文2】ルビコン川を渡る想いで彼女に告白する。
【例文3】今夜ルビコン川を渡る覚悟で彼女にプロポーズをする。

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ルビコン川を渡る

人生の方向性を決める重要な局面で、一度実行すれば元の状態には決して戻れない重大な決心をすること。それが「ルビコン川を渡る」という言葉の意味と言って間違いはないでしょう。

我々の日常生活でしばしば強いられるような、小さな決断に際して使われる慣用句ではありません。カエサルは、元老院との対立を決意してルビコンを渡りました。彼の本当の試練はルビコンの先から始まるのです。

現在の自分自身を強く否定する反抗の心がある人でなければ、今よりも辛い人生を歩む覚悟など、決められるはずもありません。
ルビコン川とは渡ることよりも、むしろ渡ったあとに重要な意味が付加されるように思います。以前の境遇から遮断されていることを突きつける境界線として、ルビコンは永劫に流れる存在なのでしょう。

興味深いのは、ルビコンが、渡った人にはいつまでも明確な境界として確認できるものであるのに対し、渡らなかった人に対しては、永久にその姿を見せなくなることです。背を向けたあとでもう一度ルビコン川に引き返して渡ろうとしても、二度と見つかることはありません。

今の私の前にルビコンが現れるためには、日常に何かしらの不満を抱かなければならず、そして現れたルビコンの向こう岸にも、また更なる試練が待ち受けています。渡るも苦しみ、渡らぬも苦しみ。違いは、未知の地に行くか、既知の地に留まるか、という点であり、それが後者の選択率の高さの理由であり、ルビコンを渡ったカエサルが崇拝される由縁でもあります。

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