天下は回り持ち

【漢字】天下は回り持ち
【読み】てんかはまわりもち
【意味】
【例文】

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天下は回り持ち

貴賎、貧富は人々の間を回り巡って行くものとか、天下を握る人は次々に変わっていくものと言う格言があります。もっと俗っぽい表現をするなら金は天下の回り物とも言えるかと思います。確かに組織のリーダーは変わっていく場合が多く、チャンスは誰にでもあるように思えます。しかし本当にそうでしょうか?。アベノミックス開始から5年、当初、トリクルダウンと言うフレーズが持て囃された気がしますが、確かに株価は上がりましたが、それも日銀が一部上場企業の株式のETFを3兆円近くも保有して株価を買い支え、前代未聞の400兆円以上の国債を買い入れ、マイナス金利て市場にジャブジャブ金を還流させ円安誘導させたのが実体です。確かに失業率は史上最低レベルになりましたが、高齢者の退職の影響が大きく、依然として非正規労働者は減ったとはいえ、2000万人以上、年収200万円以下が1000万人以上います。一方、2014年のクレデイスイスの数字で所得上位10%人口が国の総資産に占める割合が日本は49%で世界第10位であり、多いと見るか少ないとみるか微妙ですが、2017年2月の東京新聞の記事では不動産価格の上昇もありアベノミクス開始4年で富の集中が3%拡大したとのことで、一方では社会保険料や円安による物価値上げや消費税等の増税で実質賃金は下がっており、生活者の実感としてアベノミクスの恩恵を感じていないと思っている人は2017年10月のTBSによる調査で85%でした。格差拡大は次の世代にも教育の貧困という形で受け継がれ、いくら義務教育無償化とは言え、大学生の子弟の親の年収は平均800万円以上であり、経済的余裕がなければ大学進学も難しいのが現状です。まさに経済格差の再生産を防ぐ為にも教育の機会均等を図り労働の機会均等を図ることが天下もしくは金は回り持ちと言える状況を作るのだと思います。

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